業務用エアコンのビル用マルチとパッケージタイプの違い

ビル内のオフィスや店舗に業務用エアコンを設置する際に、どのようなタイプの機種を設置すればよいのかお悩みの方は多いのではないでしょうか。

業務用エアコンには、ビル用マルチとパッケージタイプがあります。

少し前までは、パッケージエアコンが選ばれるケースが多くありましたが、最近ではビル用マルチが選ばれるケースも増えてきました。

また、さまざまな種類のエアコンに合わせて、室外ユニットも最適なものを選ぶ必要があります。

この記事では、ビル用マルチエアコンとパッケージエアコンの違い、ビル用マルチの室外ユニットの種類などを紹介していきます。

ビルや店舗に導入するエアコンのタイプでお悩みの方はぜひご参照ください。

ビル用マルチエアコン(業務用マルチエアコン)とは

ビル用マルチエアコンは、「業務用マルチエアコン」「ビルマルチ」と呼ばれることもある、オフィスや店舗向けのエアコンです。

ビル用マルチエアコンは、エアコンごとの馬力数が異なっている場合でも使用可能で、もちろんエアコンごとの温度調整や電源のオン・オフを切り替えることもできます。

たとえば、オフィスの会議室に設置されたエアコンを個別で稼働させることや、飲食店の個室ごとに温度を変えることができるのです。

パッケージエアコンとは

オフィスや店舗などで使用されている、一般的な業務用エアコンのことを「パッケージエアコン」といいます。

パッケージエアコン1台に対して室外機が1台設置されることが一般的で、1.5~12馬力程の性能があるエアコンがほとんどです。

また、パッケージエアコンは、1つのリモコンで複数の室内機を同時に稼働させるという特徴があります。

パッケージエアコンのメーカー

パッケージエアコンの主なメーカーは以下の通りです。

    • ・ダイキン
    • ・三菱重工
    • ・三菱電機
    • ・日立
    • ・東芝
    • ・パナソニック

パッケージエアコンの形の種類

パッケージエアコンはさまざまな形があり、オフィスや店舗の広さに応じて選択できるのが特徴です。

パッケージエアコンの主な形の種類は以下の通りです。

        • ・天井カセット形(1~4方向)
        • ・天井埋込ダクト形
        • ・天井吊形
        • ・壁掛形
        • ・床置形
        • ・ビルトイン形

パッケージエアコンの馬力

パッケージエアコンの馬力は幅広く、1.5馬力から12馬力まであります。

馬力の目安は以下の通りです。

平米数 馬力
20~40㎡ 1.5~1.8馬力
25~60㎡ 2~2.5馬力
35~100㎡ 3~4馬力
35~100㎡ 3~4馬力
60~130㎡ 5馬力
70~150㎡ 5馬力

ただし、飲食店や工場といった熱がこもりやすい場所に設置する場合は、より強力な馬力のエアコンが必要になるので注意しておく必要があります。

パッケージエアコンを設置する前には、広さだけではなく、熱負荷(部屋の温度・熱がどのくらいなのか)を調べておきましょう。

ビル用マルチエアコンとパッケージエアコンの3つの違い

ビル用マルチエアコンと業務用エアコンにはいくつかの違いがあります。

主な違いは以下の通りです。

室外機の数

1つ目の違いは、室外機の数です。

通常の業務用エアコンであれば、エアコン1台に対して室外機が1台設置されています。

しかし、ビル用マルチエアコンは、複数台のエアコンに対して、室外機が1台になっているのが特徴になっています。

室内機の運転方法

2つ目の違いは、室内機の運転方法です。

ビル用マルチエアコンの室内機は個別に運転が可能ですが、パッケージエアコンの室内機は、本体の稼働と同時に運転することがほとんどです。

オフィスの会議室や飲食店の個室ごとに温度を調節するのであればビル用マルチエアコン、フロア全体の温度を一括で調節するのであればパッケージエアコンが向いています。

稼働に必要な電源

3つ目の違いは、エアコンの稼働に必要な電源が異なることです。

ビル用マルチエアコンは室外機と室内機の両方に電源が必要です。

パッケージエアコンは室内機に電気を送る際に、室外機から電源を取る必要があります。

ビル用マルチ室外ユニットのタイプ

室外ユニットにはさまざまなタイプがあるので、エアコンを設置する環境にあわせて、最適なものを選ぶようにしましょう。

ここからはビル用マルチ室外ユニットのタイプを紹介します。

冷暖同時切り替えタイプ

冷暖同時切り替えタイプは、エアコンごとに冷房と暖房の切り替えが可能なタイプです。

部屋ごとに運転を切り替えることができるので、ホテルなどの施設で使われる傾向があります。

リニューアルタイプ

リニューアルタイプは、既に設置されている配線や配管の設備を活用するタイプです。

工事の工数が少なく、コストが比較的安いといった特徴があります。

病院やサービス業など、工事にかかる時間の確保が難しい業種で使われる傾向があります。

コンパクトタイプ

コンパクトタイプは、狭いスペースでも設置することができるタイプです。

まとまったサイズになっているので設置しやすく、メンテナンスに必要なスペースを確保しやすいという特徴があります。

そのため、広さにあまり余裕がない店舗や工場の倉庫などで使われる傾向があります。

高暖房システム

高暖房システムは、気温が低い寒冷地でも使用することができるタイプです。

寒冷地だと、室外機に霜が付着することで、エアコンが正常に稼働しなくなることがあります。

他のタイプとは異なり、高暖房システムは熱で霜や雪を溶かすことできるので、エアコンを正常に稼働させることができます。

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ビル用マルチなどの業務用エアコンを導入する際は設置環境を確認する

いかがだったでしょうか。

ビル用マルチエアコンは、パッケージエアコンと異なり、1台の室外機で複数台のエアコンを稼働させることができます。

室外機が1台でも、エアコンごとの温度調整や電源のオン・オフは自由に切り替えることができるのが特徴になっています。

また、エアコンを導入する際は、部屋の広さだけではなく、設置スペースや室温(熱量)といった環境を確認した上で、最適なタイプを導入するようにしましょう。

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