鼻水や目のかゆみなどの、つらい症状が続く花粉症。エアコンをつけると、外の空気と一緒に花粉が入ってきそう…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
エアコンの仕組み
エアコンをつけると花粉が家の中に入ってきてしまうのでは?と思うかもしれませんが、実はエアコンは室内の空気を循環させて温度を調節しているため、外から花粉が入ってくることはありません。エアコンをつけて咳やくしゃみが出るのは、エアコンの風が室内の花粉を巻き上げたり、エアコンのフィルターやエアコン内に付着したホコリや花粉が室内に排出されることが原因だと言われています。
最近はエアコンでは換気機能がついたタイプがあります。換気機能がついたエアコンは外気を取り入れて室内に放出するため、花粉が混じることがあります。しかし多くのエアコンは換気機能がついていないため、基本的にエアコンから室内に花粉が侵入するということはありません。花粉の季節でもエアコンの使用を我慢せず、安心して使ってください。
花粉は1年中飛散している!?
春は花粉のシーズンというイメージがあるかもしれませんが、これは最も有症者の多いスギ花粉が春先に飛び始めることが影響しています。しかし実際には、北海道から沖縄まで、一年を通して多種多様な植物が花粉を飛散させているため、年間を通じてケアを行うことが大切です。まずは、花粉の種類と飛散する季節を把握して、予防に役立てましょう。
また、天気や地域にもよりますが、花粉の飛散ピークは1日に2回あります。まず、午前中から昼過ぎにかけてが1回目のピーク。これは早朝に山から飛散した花粉が都市部に流れてくるためです。そして、2回目のピークが夕方。気温が低下することで空気の対流が起こり、上空の花粉が降りてきたり、地面に落ちていた花粉が舞い上がったりするためです。ともに人の動きが多い時間帯ですので、マスクをするなど花粉対策をしっかりしましょう。
花粉の侵入経路
花王株式会社 生活者研究センターの研究によると、室内の花粉の6割は窓などの換気による侵入、4割が洗濯物や衣類について持ち込まれることがわかっています。場所別でみると花粉の割合は、床が55%、布団22%、洗濯物15%になっています。花粉は重いため風のないところでは地面に落下しますが、車や人に踏まれて粉砕されると軽くなって舞い上がりやすくなります。この粉砕された細かい花粉が家の中に入ると、なかなか外には出て行きません。
換気は雨の日にする、洗濯物は花粉の飛散が少ない朝10時までに干す、帰宅時は玄関先で花粉を払い落とすなど、日頃から室内へ花粉を侵入させないように注意しましょう。
花粉が溜まるエアコン内部
空気の通り道になるエアコンのフィルターは、とても汚れやすい部位です。エアコンのフィルターが詰まっていると、エアコンの効きが悪くなる、悪臭のもとになる、健康被害の原因になるなど、さまざまなリスクが高まります。
エアコンを使用することで外の花粉が入ってきてしまうことはありませんが、エアコンの内部に花粉が溜まることはあります。窓を開けていなくても、部屋の空気に花粉が混じっている可能性はとても高いです。その花粉が混じった空気をエアコンが吸い込むことで、フィルターに花粉が付着してしまいます。花粉が飛ぶ時期でも安心してエアコンを使用するためには、定期的にフィルターを取り外し、フィルターやその周辺に付着した花粉を取り除くことが重要です。
フィルターには、花粉やホコリなどのアレルギーの原因となる物質が付着している可能性が高いので、フィルターの掃除をする際は、マスクやメガネなどを着用し、花粉の吸い込みを防ぐようにしましょう。