寒い時期に欠かせない暖房器具がエアコンです。素早く部屋を暖めるメリットがある一方、室内が乾燥しやすいといったデメリットもあります。今回は、エアコンの乾燥を防ぐ方法をご紹介します!
エアコンによる乾燥のデメリット
エアコンによる乾燥は様々なトラブルを引き起こします。
●ニキビやシワ、シミの原因になったり肌の老化を早める
●目が乾燥しやすくなる
●鼻や口などの粘膜からウイルスが入りやすくなり、風邪やインフルエンザになりやすくなる
●脱水症状を起こす
●火災、静電気などが起こりやすくなる
エアコンを使うと乾燥する理由
エアコン利用者に冬場の室内環境で困っていることを聞くと、「肌、のど、目、髪が乾燥する」という意見が多く聞かれます。エアコン暖房により、室内の温度が上がり湿度(相対湿度)が下ってしまうために乾燥してしまいます。空気が含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)は、空気の温度によって異なり、温度が高いほど多くの水分を含むことができます。加湿機能のないエアコン暖房は、空気を直接暖めることで部屋全体の温度を上げるので、水蒸気は発生しません。つまり空気中の水分は増えずに、温度だけが上昇するため、湿度(相対湿度)が低下して乾燥を引き起こしてしまうのです。
その他にも、エアコンが部屋の空気を乾燥させやすいのは、エアコン内部の結露が関係しています。エアコンは室内機と室外機、さらにこの2つを繋げる太いパイプで構成されており、まずは部屋の中の空気を室内機に取り入れ、冷媒によって温めるか冷やすかして再度部屋に空気を戻しています。この工程の中、飽和水蒸気量を超えた空気中の水分が結露となって、ホースから室外へ排出されるのです。つまり、元々水分を含んでいた空気は外へ流れていき、代わりに水分を含まない乾燥した空気が部屋に運ばれてくるという訳です。
ちなみに冬の防寒対策として、エアコン以外にも石油ストーブやガスファンヒーターなどが使われていますが、エアコンのように部屋の乾燥が気になる事はありません。これは、ストーブやファンヒーターが稼働する際に使用する石油やガスの燃料は燃焼すると二酸化炭素と同時に水蒸気も発生させているからです。そのため、温度の上昇とともに加湿も行われ、場合によっては乾燥対策より逆に湿気対策が必要になる事もあります。
手軽に出来るエアコンの乾燥対策
上記で述べたように、乾燥は様々なトラブルを引き起こすため、エアコンを使う際は同時に乾燥対策も行う必要があります。
濡れたタオル・洗濯物を室内に吊るす
一番簡単な加湿方法は、部屋の中に洗濯物を吊るすことです。濡れたタオルや洗濯物の水分が蒸発することで部屋の湿度が上がり、乾燥対策ができます。もし、部屋干しの臭いが気になる場合は、太陽の光が当たる窓際に干すといいでしょう。太陽光には殺菌作用があるため、嫌な臭い菌の発生を防ぐことができます。
マスクをつける
エアコンによる乾燥では、喉に異変が出やすいです。朝起きたときに喉のイガイガをよく感じる方は、マスクをつけると喉を守ることができます。人の呼吸で出る空気は水分を含むので、マスクをつけることによって口の中の乾燥を防げます。
お風呂後にはドアを開ける
お風呂後に、風呂の扉を開けっぱなしにするのも良いです。風呂場の水蒸気をそのまま部屋中に充満させることで一気に部屋の湿度が上がります。ただし、湿度が高過ぎると電化製品の故障やカビ発生の原因にもなりかねません。いつまでも開けっ放しの状態にするのではなく、時間を決めておく必要があります。
加湿器を併用する
加湿器を稼働させていると、その気流でエアコンの風を他の場所へ運ぶことができます。 エアコンからの風を一ヶ所に集中させず分散させることで部屋の温度も均一に保ちやすくなり、光熱費削減にも繋がります。
加湿のしすぎは要注意
ここまで、エアコンによる乾燥を防ぐ方法を説明してきましたが、加湿する際に気をつけなければならないことがあります。それは、過剰な加湿はカビの原因になってしまうということです。
加湿することで結露が起こり窓ガラスや壁などに水滴が発生します。この結露を放っておくと、カビが繁殖する環境を作ってしまうことになりかねません。そのため、結露ができたら1度加湿をやめて、換気をしたり乾いた雑巾などでこまめに拭き取ったりしましょう。