エアコン選びで重要なのが能力選び。馬力や容量などの大きさで表記されていますが、同じ機種なら室内機のサイズ(寸法)にほとんど違いはありません。
能力を検討する場合、冷暖房の熱負荷計算を行い、室内の“空調負荷”を元に選びましょう。
適合能力のものに足りない馬力を選ぶと以下のようなことが懸念されます。
(1)効きが悪い
床面積だけで能力を決めたが、設定温度にいつまで経っても到達しない、冷えないので初期不良ではないか?と思われる場合もありますが、
能力が足りなければ室内を冷やす/暖めることもできません。
(2)電気代が高くなる
能力が足りない為、運転してもなかなか設定温度にならずエアコンは最大能力で運転を続け、電気代も大幅にかかります。
ある能力で“強”運転を続けるよりも適切な能力で運転する方が電気代も抑えられます。
(3)壊れやすい
能力が足りない為、無理な運転を続けることで機械(特にコンプレッサーと呼ばれるエアコンの心臓に当たる部分)に負荷がかかり壊れやすくなります。
ただし、逆に能力が大きすぎると、風が強く不快に感じてしまいます。なぜなら、能力が大きいということは、その分風量が大きいということに繋がるからです。
エアコンを選ぶ際は、空調にかかる“熱負荷”をしっかりと考慮して、適切な能力のある機器をご購入下さい。
空調負荷・熱負荷って何?
能力を選ぶ際に計算する“熱負荷”。熱負荷とは空調する部屋に出入りする熱量、その部屋内で発生する熱量のことを言います。
そして熱負荷が大きければその分、能力が高いエアコンを選ぶ必要があります。
能力選びのポイント
(1)部屋の広さ・業種で目安を判断
(2)業種別にチェックしておきたい熱負荷
一般事務所
一般事務所ではパソコンなどのOA機器が多い部屋では機器からの発熱が室内にこもり負荷となります。
また、従業員数が多い部屋では、その分の熱負荷を考慮する必要があります。
理美容院
理美容院ではドライヤーやパーマ機器など発熱性のある器具が多いかどうかを注意する必要があります。
また、湯沸器の設置場所が室内か室外かによっても熱負荷が大きく異なります。
一般商店
一般商店とは、服飾、貴金属、日用雑貨品などを販売されているお店ですが、商品を照らす照明などの店内で発熱性のある物や、冷蔵ショーケースなどを置いている生鮮食品店等は、より正確な負荷計算が必要になります。
飲食店
飲食店では比較的熱負荷が高くなる為、空調の能力も他の業種と比べると大きめのものが必要になります。さらに、カウンタータイプのお店では調理から発生する熱が客席に影響することを注意し、焼肉、お好み焼、もんじゃ焼など客席でも調理する環境では、大きめの能力が安心です。
空調は一度設置すると長く使い続けることになります。能力を選ぶ際は、部屋の広さだけでなく環境の熱負荷をしっかりと考えましょう。