引っ越しや業務用エアコンが故障した際に、業者に依頼すると料金がかかってしまうので自分で取り外したいと考える事業者様は多いのではないでしょうか?
しかし、専門知識もないのに自分で外してもいいのかどうか、不安に思う方もなかにはいらっしゃるでしょう。
本記事では、知識が無くても業務用エアコンの自分で取り外しはできるのか、具体的な外し方を紹介します。
業務用エアコンを自分で外したいとお考えの事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業務用エアコンを自分で取り外すことはできる?
業務用エアコンを自分で撤去したいとお考えの方もいらっしゃると思いますが、結論から申し上げますと、専門知識のない方が業務用エアコンを取り外すことはできません。
エアコンの設置や撤去には、業務用・家庭用に関わらず必ずフロンガス(冷媒ガス)を適切に取り扱う必要があります。
エアコンのなかには、地球温暖化を引き起こすフロンガスが使われている物も多くあります。
フロンガスは環境に悪影響を及ぼすものであるため、2015年に環境省より「フロン排出抑制法」と呼ばれる法律が施行されました。
そのため、業務用エアコンを処分する際は適切な手順でフロンを回収する必要があるのです。
専門知識のない方が無理に取り外そうとすることで、フロンの回収が適切にできずに知らないうちに法律違反をしてしまうことにもなりかねません。
また、業務用エアコンの取り外しは高所での作業が大部分を占めており、エアコン自体もかなりの重量があるため、作業に慣れていなければ事故につながる危険もあります。
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このように、専門知識が無い方が業務用エアコンの取り外しをすることには、さまざまなリスクがあるため、取り外しの際には専門業者に依頼することをおすすめします。
業務用エアコンの取り外しに必要な資格
業務用エアコンの取り外しに必要な主な資格は、「冷媒フロン類取扱技術者」と「電気工事士」となります。
冷媒フロン類取扱技術者は、フロンガスを適切に取り扱い、漏洩させることなくガスの充てん・廃棄ができることを認められた方に与えられる資格です。
資格には第一種と第二種があり、第二種の場合は一定規模以下の機器しか取り扱うことができません。
また、業務用エアコンは端子台と呼ばれる機器に電源を接続しています。
この端子台への接続・取り外しは特殊な電気工事となり、電気工事士の資格を持っている方でないと行うことができません。
一般的な家庭用エアコンであれば電源プラグを抜くだけでよいのですが、業務用エアコンは馬力を担保する代わりに特殊な電気工事が必要となります。
専門知識をもたないまま電気工事を行うと、法律違反になるだけではなく漏電や感電などの事故につながるリスクもあるため、非常に危険です。
業務用エアコンの取り外しにはフロンガスの処理と電気工事が必須となるため、資格をもっていないと取り外しができないと覚えておきましょう。
業務用エアコンを取り外す際に用意しておきたい道具
業務用エアコンを取り外す場合には、専門工事ができる資格が必要となります。
しかし、資格を持っていたとしても工具がなければ取り外しはできません。
以下に、業務用エアコンの取り外しで必要となる主な工具をまとめました。
<業務用エアコンの取り外しで必要な工具>
- プラス・マイナスドライバー
- モンキースパナ
- 六角レンチ
- ペンチ
- カッターナイフ
……など
上記のほかにも、高所で作業するための道具や業務用エアコンの取り外し後の壁のケアを行うための道具がいくつか必要となります。
以下に、そのほかに必要な道具の例をまとめました。
<そのほかに必要な道具>
- 軍手
- ビニール・ガムテープ
- 脚立
- エアコンの配管用パテ
- エアコンキャップ ……など
業務用エアコンの取り外しには、さまざまな工具・道具が必要となります。
工具類はホームセンターで簡単に取りそろえることが可能でありますが、エアコンの配管用パテやエアコンキャップは販売していないケースもあります。
もしホームセンターに販売されていない場合は、ネットで取り寄せるとよいでしょう。
また、長時間高所で作業を行うため、脚立は安定感のある安全なものを選ぶことをおすすめします。
業務用エアコンの取り外し方の簡単な手順
業務用エアコンの取り外し方は、さまざまな手順を追って作業を行います。
ここからは、簡単な作業手順について解説をしていきます。
以下の手順はあくまでおおまかな手順となるため、詳しい取り外し方を知らなければ事故につながるリスクがあります。
安全に取り外すためにも、専門業者に依頼することをおすすめします。
室外機のカバーをドライバーで外す
取り外し方の手順としては、まず室外機のカバーをドライバーで外すところから始めます。
室外機のカバーは側面についていることがほとんどであり、開けると中に電源コードや配管などが見えるようになります。
室外機は屋外に設置されていることが多いため、ネジがさび付いてカバーを取り外せない場合もあります。
その場合は、市販のサビ取り剤を使ってサビを落としてから慎重に外しましょう。
フロンガスの回収を行う
次に、フロンガスを室外機の内部にとどめるためのポンプダウンと呼ばれる作業を行います。
この作業を行わないとエアコンを廃棄できず、場合によっては法律違反にもなるので必ず行いましょう。
エアコンの電源コードを端子台から外す
次に、電源を端子台から抜く作業を行います。
電源を端子台から抜くためには、電気工事士の資格を持った方が適切な手順で安全に抜く必要があります。
専門知識が無いままに電源部分に触ってしまうと、感電のリスクが高まるので注意しましょう。
エアコンの室外機と室内機を外す
電気が通っていないことを確認できたら、次にエアコンの室外機と室内機を外します。
室外機はポンプダウンでとどめたフロンガスを内包しているため、外に漏れださないように慎重に取り外していきます。
室内機は、エアコンのタイプによって取り外し方が異なるため、自分で取り外すことが難しい場合は業者に依頼しましょう。
ポンプダウンの作業とは
業務用エアコンを撤去する際に必ず行わなければいけないこととして、ポンプダウンと呼ばれる作業があります。
ポンプダウンは、エアコンの中にあるフロンガス(冷媒ガス)を室外機にとどめて、ガスを回収する作業のことです。
この作業を行わなければ、フロン排出抑制法に違反することとなってしまい、罰せられる可能性があります。
また、フロンガスが漏れ出たエアコンは電力効率が下がってしまうため、引っ越し先でも同じエアコンを使いたい場合は必ず行いましょう。
ポンプダウンを行う際に使う道具
業務用エアコンの取り外しの際に行うポンプダウン作業で、用意しておきたい道具としては、以下のようなものがあります。
<ポンプダウンに必要な道具の一覧>
- プラスドライバー
- 六角レンチ
- モンキースパナ
- 軍手
- エアコンメーカーの説明書
- ゲージマニホールド ……など
ポンプダウンはエアコンの種類によってやり方が異なるため、エアコンメーカーの説明書が必要となります。
また、フロンガスが漏れているかを確認するためのゲージマニホールドは、用意できれば安心ですがなくても作業自体は問題なく行えます。
ポンプダウン作業のおおまかな手順
ポンプダウン作業のおおまかな手順としては、以下のようになります。
ポンプダウンの簡単な手順
- 冷房の最低温度で数分間運転する
- 室外機のカバーを開けてバルブキャップを外す
- 細い管のバルブを締める
- 再度冷房の最低温度で数分間運転する
- 太い管のバルブを締める
- 運転を止める
上記の手順はあくまでおおまかな方法であり、業務用エアコンの種類によってポンプダウンの手順は異なります。
そのため、エアコンメーカーの説明書をよく読んで正しい手順でポンプダウンを行いましょう。
ポンプダウン作業の注意点
ポンプダウンの作業は、エアコンの撤去で必ず行わなければいけない作業ですが、実は非常に危険な作業でもあります。
ポンプダウンの過程では、配管を外すことや室外機のボルトを外す作業が含まれており、適切に処理ができていないとガス漏れやオイル漏れを起こす可能性があります。
その結果、なんらかの要因で漏れたガスやオイルに引火してしまうと、室外機が爆発を起こして大きな怪我を負ってしまう可能性もあります。
自分が怪我をするリスクはもちろん、近隣住民にも被害が及ぶ可能性もあるので、慎重に作業するようにしましょう。
作業に不安がある場合は、専門知識を持って安全に作業ができる業者に依頼することをおすすめします。
室内機を取り外す方法
業務用エアコンの室内機を取り外す方法は、メーカーやエアコンの機種によって異なってきます。
たとえば、壁掛け型のエアコンの場合であれば壁に取り付けられたフックから外します。
天井吊り型のエアコンの場合は、室内機を固定しているボルトを緩めて吊り金具やボルトを外す必要があります。
特に、天井吊り型や天井埋め込み型の場合は安易に外してしまうと、上から室内機が落ちて怪我をする可能性があるため、慎重に行わなくてはいけません。
軽い機種でもおおよそ10kg以上はあるので、取り外した際にバランスを崩して高所から転落してしまう可能性もあります。
また、室内機を取り外すと同時に室外機につながるパイプも取り外す必要があるので、よりバランスを崩して転落するリスクも高まります。
安全に作業するためにも、可能な限り専門業者に依頼して取り外し作業を行うようにしましょう。
業務用エアコンの処分方法
取り外した業務用エアコンを、どのように廃棄・処分をすればいいのか分からない方も多いのではないのでしょうか?
業務用エアコンは産業廃棄物となるため、自治体で回収することができません。
一番簡単な処分方法としては、専門業者に取り外しを依頼してそのまま回収してもらう方法です。
専門業者のなかには、産業廃棄物処理の認可を受けている会社もあるため、適切に処分をしてもらえる業者に依頼しましょう。
他の方法としては、取り外しと回収を別々の業者に依頼する方法です。
ただし、その場合は自分でそれぞれの業者とやり取りを行わなければいけないため、手間や料金の負担が大きくなる可能性があります。
廃棄処分までを考えているのであれば、回収までを一貫して行ってくれる業者に依頼するようにしましょう。
業務用エアコンの取り外しは業者に依頼しよう
いかがでしたでしょうか?
業務用エアコンの取り外しには、フロンを適切に取り扱える資格と電気工事士の資格をもった人物が行う必要があります。
そのため、専門業者に取り外しから廃棄処分までを一貫して依頼することが、一般的です。
自分で撤去作業を行う場合は、メーカーの説明書をよく読んで取り外し方を理解したうえで慎重に行うようにしましょう。
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